ハーレクイン・シリーズ
めぐる季節の贈り物
私はもう泣かない。たとえ両親を失い、信じていたフィアンセに裏切られても。
両親が旅行中に交通事故で亡くなった——。看護師長のクロティルドは突然の知らせに、思わず椅子に座り込んだ。心配して見に来てくれたドクター・サッカリーの言葉も耳に入らない。クロティルドはすぐにフィアンセのブルースに連絡をとった。同じ病院で働く研修医の彼に、実家まで送ってもらおうと思ったのだ。でも彼は上司と会食の約束があって、どうしても行けないと言う。将来がかかっているから絶対断れないと……。茫然とする彼女に、ドクター・サッカリーが声をかけた。「家には僕が送っていくよ」クロティルドは言われるままに、その厚意にすがった。やがて味わうフィアンセのさらなる冷たい仕打ちを予期したように。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年06月05日
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- 著者
- ベティ・ニールズ
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- 訳者
- 森香夏子
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- 定価
- 723円(税込)
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- ISBN
- 978-4-596-22100-1
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- 書籍番号
- I-2100
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イギリス南西部デボン州で子供時代と青春時代を過ごした後、看護師と助産師の教育を受けた。戦争中に従軍看護師として働いていたとき、オランダ人男性と知り合って結婚。以後十四年間、夫の故郷オランダに住み、病院で働いた。イギリスに戻って仕事を退いた後、作家活動に入る。穏やかで静かな、優しい作風が多くのファンを魅了した。2001年6月、惜しまれつつ他界。彼女が生みだした作品は百三十以上にも及ぶ。