ジリアンは思いがけないことからコーデル・ドーガルトに婚約者からの別れの手紙を届けるはめになった。彼はその手紙を読んでも、ショックを受けなかった。だがそのとき、あるものを見つけた彼は、ちょうど男としての自信を喪失し、呆然としていた。そんな彼を見て、ジリアンは大きな勘違いをした。「私を頼りにして。あなたの面倒は私が見るから」ジリアンにぎゅっと抱きしめられたとき、コーデルの中で、自信と欲望が再び頭をもたげた。彼女が妻だったら最高じゃないか!けれども彼はジリアンが胸に秘めていた固い決意を知らなかった。彼女は従順な妻を演じる気はなかったのだ。暮らしも愛情も、夫に従属するのは我慢できない。何事も平等主義のジリアンに、昔気質のコーデルは当惑し……。