ハーレクイン文庫

リーの悲しみ
天涯孤独のリーは、名ばかりの妻を必要としていた名門資産家バークからの愛なき求婚を受け入れる。身分違いのその結婚は、せつない恋のプロローグだった。
19歳のリーは唯一の肉親だった父を亡くして以来、わがままな雇い主のもとでこき使われている。ある夜、旅先のホテルで女主人は知人を見つけて駆け寄った。バーク・ライランド──ものうげな気品の漂う魅惑的な紳士。名門資産家の彼は高慢さをにじませ、女主人を相手にもしない。彼の視線は女主人を通り越し、うしろに控えているおどおどした子鹿のようなリーに注がれていた。後日バークはリーを夕食に連れ出し、とうとつに求婚した。身寄りがなく貧しい彼女は、名目上の妻にぴったりだから。
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- 頁数
- 200頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2015年09月01日
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- 著者
- ヴァイオレット・ウィンズピア
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- 訳者
- 松村和紀子
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- 定価
- 682円(税込)
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- ISBN
- 978-4-596-93681-3
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- 書籍番号
- HQB-681 (初版R-254)
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中から“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1989年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今もファンに支持されている。