イギリスで生まれ育った。ジャーナリストとして働いた後『女資産家』で小説家デビュー。またたく間にベストセラーとなり、その後も次々とヒット作を生み出した。彼女の小説は90カ国以上、40言語で刊行され、今までに8500万部以上を売り上げている。2007年には、その功績を称えエリザベス女王から大英帝国勲章を授与された。現在は、テレビ・プロデューサーの夫とNYに在住。

前作では、ファッションデザイナーとして大成したセシリーの姿が、同時代のガブリエル・ココ・シャネルを彷彿とさせました。今作では、戦時下に我が子を失い、家族を失いながらも決して希望を見失わず、インガム一族とスワン一族の礎であるキャヴェンドンのために強く生きようとするセシリーの姿は、あの名作映画『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラそのもの(セシリーはあれほど気性の激しい女性ではありませんが)。作家自身もインスピレーションを受けたのでは、と邪推したのですが、あながち間違いではないかもしれません。というのも、本作の中にはレット・バトラー役のクラーク・ゲーブルが『風と共に去りぬ』への出演依頼を受けるかどうか迷う……というシーンがあるのです!戦時下で明日への希望を模索するという歴史サーガの中では、一服の清涼剤のようなエピソード。キャヴェンドン・ホールの行く末を、セシリーの未来を、どうぞ一緒に見届けてくださいませ!