1980年代に執筆活動を開始。90年代に入ると数々のヒットを連発し、ロマンティック・サスペンス・ブームの火付け役となる。本書の関連作でもある〈複顔彫刻家イヴ・ダンカン〉シリーズでサスペンス作家に転向、NYタイムズのベストセラーリストにこれまで多数の作品を送り込んでいる。

前作『月光のレクイエム』発売から早4カ月……このたび、20年間の盲目状態から奇跡の五感を獲得したケンドラの新たな活躍を皆さまにお届けできる運びとなりました。それもこれも、読者の皆様の熱いご支持のおかげです。本当にありがとうございます!本作で明かされるのは、今までベールに包まれていたケンドラの過去。10年前、はたちの頃に受けた手術でケンドラは視力を得ることになるのですが、今回の物語は、その手術を執刀した恩人、ドクター・ウォルドリッジと再会する場面から始まります。知性と優しさを兼ね備えたウォルドリッジは若きケンドラの憧れでしたが、久しぶりに再会した彼の様子はどこかおかしく、心ここにあらず。直後、ウォルドリッジは謎の失踪を遂げ、ほかにも彼の同僚が殺されたり、姿を消したりしていました。そして明らかになったのは、ケンドラの手術を成功させたプロジェクトこそが、すべての始まりだったということ……。実在する科学技術と、その闇を描き切った上質なサスペンスはもちろん、今回特筆すべきは、ケンドラとアダム・リンチの関係の変化です。互いに強く惹かれ合いながらも、なかなか進展しない二人にはやきもきさせられ続けてきましたが……ついに、アダムの氷の仮面が剥がれ、秘めた情熱があらわになる瞬間が……!二人の一筋縄ではいかない愛の行方がますます楽しみになる本作に、どうぞご期待ください。