家族とともに、アメリカの山間部の小さな町に暮らす。12歳からロマンス小説を読みはじめ、20歳のときに初めて執筆に挑んだ。作家の登竜門ゴールデン・ハート賞を勝ち取った天性の実力派。ヒストリカル、コンテンポラリーともに積極的に執筆し続けている。ベストセラーリスト常連の、期待の新星。

2012年の1月『彼女たちの麗しき恋事情』の短編収録で、衝撃のMIRAデビューを果たしたヴィクトリア・ダール。その後も話題を独占してきた彼女の最新刊が登場です。まさに2012年はヴィクトリア・ダールの年だった(?!)と言えるのではないでしょうか!さて、本作は『モリーの言えない秘密』『天才富豪とローリの真夏の約束』につづくシリーズ最終話。これまでにもチラチラと登場していた、クイン(2作目ヒーロー)の秘書ジェーンがヒロインです。その堅苦しくて地味〜な装いから、やけに気になる存在だったジェーンですが……恋愛など興味がなさそうな彼女が、いったいどんなロマンスを巻き起こすのか?相変わらずの刺激的すぎる作風ながら、今回も主人公たちの心情がとっても丁寧に描かれているので、ただのエロティック・ロマンスの枠には入りきらない1作です。ちなみに本作のなかで、ジェーンの母親が少々変わった行動をとっているのですが……これは日本ではありえないことながら、アメリカではそう稀でもないらしいのです。そのあたりの説明が琴葉かいらさんの訳者あとがきでも説明されているので、ぜひ読んでみてください。笑えて、刺激的で、ほろりとさせられる——1冊で3度おいしいロマンスです。